そこは高台の家   


こんもり茂った木々に囲まれた、高台の家。

駅からも、踏切からも見上げれば、屋根が見えるほど。

町はほどほどに便利で、バイパスには24時間スーパーも、バーガーショップも、

レンタルショップも、 コンビニもあり、家の前は幹線道路も通過。

だけど、その家の急な坂を上ると、そこはまるで山荘のよう。

喧騒は遠のき、木々がざわめき、草はおいしげり、見知らぬ花が咲き、

虫や鳥の声が聞こえ、そして、 風が透り抜けた。

わたしは、その地で生まれ、育った。  

つづく

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